唐木仏壇の構造と材質の秘密。世代を超えて受け継ぐ、本物の価値

唐木仏壇の構造と材質の秘密。世代を超えて受け継ぐ、本物の価値

皆様、こんにちは。 仏壇・仏具の専門店、翠雲堂本店のホームページ担当です。

近年、お仏壇というと、洋室にも合うモダンなデザインのものが主流となりつつあります。もちろん、それも時代の流れに即した素晴らしいお仏壇です。

しかし、私たち翠雲堂本店は、あえて日本の伝統工芸の粋を集めた「唐木仏壇(からきぶつだん)」を、都内でも随一の品揃えで皆様にご紹介しております。

なぜなら、そこには世代を超えて受け継がれるべき「本物の価値」があると信じているからです。

唐木仏壇は、これからますます生産量が少なくなり、希少価値が高まっていくことでしょう。

「一生に一度のお買い物だからこそ、後悔しないお仏壇選びをしていただきたい」

そんな想いを込めて、今回は唐木仏壇の魅力の根幹である「構造」「材質」について、専門店の視点から分かりやすく、そして深く解説してまいります。

1.知っているようで知らない?お仏壇の価値を決める「構造」の違い

唐木仏壇は、一見すると同じように見えるかもしれませんが、その「構造(造り)」によって耐久性や価値が大きく異なります。これは、お仏壇の価格にも反映される非常に重要なポイントです。

構造は主に、高級な木材をどの範囲まで使用しているかを示す「練り(ねり)」という工法で区別されます。

【高級】練り(ねり)工法

芯材となる別の木材の周りに、厚さ5~6mmほどの銘木の板(厚板)を貼り付けて造る工法です。どの範囲まで厚板を使っているかによって、さらにグレードが分かれます。

四方練り(しほうねり)
お仏壇の正面・両側面・そして背面(裏側)の四方すべてに銘木の厚板を貼り付けた、非常に丁寧な造りです。どこから見ても銘木の重厚な質感を感じられ、無垢に次ぐ最高級の練り工法とされます。

三方練り(さんぽうねり)
お仏壇の正面と両側面の三方向から見える部分に銘木の厚板を貼り付けた構造です。目に見えるほとんどの部分が銘木で覆われているため、見た目の重厚感と耐久性のバランスが取れた、人気の高い構造です。

二方練り(にほうねり)

正面と内側の二方向から見える部分に銘木の厚板を貼った構造です。壁際に設置することが多いお仏壇の特性を考慮した、合理的でコストを抑えた造りと言えます。

前練り(まえねり)

   正面から見える部分にのみ、銘木の厚板を貼った構造です。練り工法の中では、最もお求めやすい価格帯になります。

【普及品】貼り(はり)工法

練り工法よりも薄い銘木の板やシートを芯材に貼って仕上げる工法です。

薄板貼り(うすいたばり)
「ツキ板」とも呼ばれ、銘木を0.2mm~0.5mmほどに薄くスライスしたものを芯材に貼り付けた工法です。天然の木材ならではの美しい木目を楽しめ、価格を抑えられるのが特徴です。

印刷シート貼り
木目を印刷した紙やビニール素材のシートを芯材に貼り付けた工法です。天然の木材は使用していませんが、現在の印刷技術は非常に高く、一見しただけでは見分けがつきにくいものも多くあります。最もお求めやすい価格帯の唐木仏壇に用いられます。

紫檀色
心材や基となる木材の上に紫檀風の塗装を施して作られています。比較的お求めやすい価格でご提供できるのが大きな利点です。


翠雲堂本店では、しっかりとした構造のお仏壇を数多く展示しております。ぜひ店頭で、それぞれの造りの違いから生まれる重厚感や質感の違いを、お客様ご自身の目で見比べてみてください。

2.風格と美しさの源泉。唐木仏壇の「材質」を知る

唐木仏壇の「唐木」とは、古くは遣唐使によって中国(唐)から日本へもたらされた、非常に硬く、木目が美しい輸入銘木の総称です。その代表格が「黒檀(こくたん)」「紫檀(したん)」「鉄刀木(たがやさん)」で、「唐木三大銘木」と呼ばれています。

黒檀(こくたん)

漆黒の美しい光沢と、緻密で重厚な木質が特徴の最高級木材です。「木のダイヤモンド」とも呼ばれ、耐久性に非常に優れています。その重厚な佇まいは、お仏壇に圧倒的な存在感と風格を与えます。

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紫檀(したん)

赤みを帯びた美しい木目が特徴で、古くから高級家具や楽器にも用いられてきました。正倉院の宝物にも紫檀を使ったものが見られるほど、歴史と由緒ある木材です。上品で温かみのある風合いが人気です。

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鉄刀木(たがやさん)

まるで刀のようだ、と評されるほど硬く、特徴的な美しい縞模様の木目を持つ木材です。その個性的な木目は、他の銘木にはない独特の魅力を放ちます。


この他にも、翠雲堂本店では、日本が世界に誇る銘木「屋久杉(やくすぎ)」や、明るく上品な色合いの「桑(くわ)」など、様々な材質の唐木仏壇を豊富に取り揃えております。

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材質によって、お仏壇の表情は全く異なります。ぜひ、ご自身の目で見て、手で触れて、その木が持つ生命力や美しさを感じていただきたいと思います。
左から黒檀、紫檀のお仏壇。材質による印象の違いをご覧ください。

まとめ

本物だからこそ、世代を超えて受け継がれる
いかがでしたでしょうか。
唐木仏壇の価値は、その「構造」と「材質」によって大きく左右されます。
モダン仏壇が主流の今だからこそ、私たちは日本の職人たちが丹精込めて作り上げる、この伝統的な唐木仏壇の素晴らしさをお伝えしたいのです。
しっかりとした構造と、選び抜かれた材質で作られたお仏壇は、単なる「モノ」ではありません。ご先祖様への感謝の心を形にし、親から子へ、子から孫へと、大切な想いと共に受け継がれていく「家族の宝物」となるはずです。
翠雲堂本店では、今回ご紹介した様々な構造・材質の唐木仏壇を、都内随一の規模で展示しております。写真や文章だけでは伝えきれない、本物の唐木仏壇が持つ重厚感、木の香り、そして職人の息づかいを、ぜひ五感で感じてみてください。
専門知識豊富なスタッフが、お客様一人ひとりに最適な唐木仏壇選びを、心を込めてお手伝いさせていただきます。
皆様のご来店を、心よりお待ちしております。
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